日本アルプス縱走 烏帽子嶽より燒嶽へ
文部省製作の山岳関係映画としては最初の作品。烏帽子岳から焼岳に至る北アルプス(飛騨山脈)中部一帯の山々とともに、雷鳥や地衣類、ハクサンイチゲ、キバナシャクナゲ、キヌガサソウ、サンカエフ、シナノキンバイ、オオサクラソウ、タカネザクラ、ミヤマツマキチョウなどの動植物が映し出される。踏破ルートは、青木湖と木崎湖の湖水めぐりに始まり、大町から高瀬川に沿って進み山脈へ入り、烏帽子、鷲羽岳、蓮華岳、双六岳、槍ヶ岳から下って穂高山麓の上高地牧場から焼岳、大正池に至る。撮影補導の小泉秀雄は長野県松本女子師範学校教諭で、「文部省活動寫眞斑」の実質は製作を委託された東京シネマ商会。
作品詳細
- 作品番号
- ST000186
- 映画題名
- 日本アルプス縱走 烏帽子嶽より燒嶽へ
- 映画題名ヨミ
- ニホンアルプスジュウソウ エボシダケヨリヤケダケヘ
- 製作年月日
- 1925
- 時間(分)
- 30
- サウンド
- サイレント
- カラーの種類
- 白黒
- 製作会社
- 文部省
- 配給会社
- 文部省
- スタッフ
- 文部省活動寫眞斑[撮影]白井茂[撮影]小泉秀雄[撮影補導]
- 検閲番号等
- 1926年4月8日
A290、日、實、敎、日本アルプス縱走、2巻、544m、文部省(製作者)、芹川政一(申請者)、新
1926年11月2日
A8400、日、實、敎、日本アルプス縱走、2巻、551m、文部省(製作者)、芹川政一(申請者)、復一 - フィルム映写速度
- 16
- 備考
- 元素材は、1971年度に文部省より管理換を受けた35㎜不燃性マスターポジ。
検閲時報の記載と比べると、元素材である上述のフィルムの尺長は550.188mであることから、完全版であると考えられる。 - 参考文献
- 文部省普通學務局社會教育課『大正十五年一月 文部省製作 活動寫眞「フイルム」目録』(1926年)23-28頁
文部省『教育映畫目録』(1930年)巻末附録「文部省製作活動寫眞フィルム目錄」3頁
文部省社會敎育局『昭和七年七月改正 文部省製作活動寫眞フイルム目錄』(1932年)17頁、40頁
文部省『敎育映畫硏究資料 第十八輯 本邦映畫敎育の發達』(1938年)「文部省製作映畫年度別」65頁
田中純一郎『日本教育映画発達史』(蝸牛社、1979年)56頁
白井茂『カメラと人生―白井茂回顧録―』(ユニ通信社、1983年)58頁。