フィルムは記録する

地下鉃の出來るまで

大阪の地下鉄御堂筋線の敷設工事の過程を紹介する。地中でトンネルを掘り進めるのではなく、地上から掘り下げる大掛かりな開掘式工事が行われ、鉄骨によるトンネル空間の構築、地面の埋め戻しと線路の敷設などが図を交えつつ丁寧に解説される。御堂筋線は1933年に梅田~心斎橋間で開通しているが、「梅田 難波」のプレートのある車両が見られることから、1935年に開業した心斎橋~難波間の延伸工事を撮影したものと考えられる。

作品詳細

作品番号
ST000218
映画題名
地下鉃の出來るまで
映画題名ヨミ
チカテツノデキルマデ
製作年月日
1938
時間(分)
15
サウンド
サイレント
カラーの種類
白黒
製作会社
テラダ映画、大阪市
スタッフ
岡本珍樹[構成]
検閲番号等
以下の検閲記録から、本作は当初トーキー版が製作され、のちに16mmのサイレント版も製作されたと考えられる。
1938年4月19日
M11933、日、實、敎、[發聲フイルム式]地下鐵の出來るまで、1巻、298m、寺田淸四郎(製作者、申請者とも)、新
同日に同題名のフィルムが上記を含め4本検閲通過している。
1940年2月20日
7451~7453、日、實、敎、無、地下鐵の出來るまで 一-三、1巻、130m、テラダ映画社(製作者)、寺田淸本店(申請者)、16mm、新
フィルム映写速度
18
備考
元素材は、2001年度に保田洋二氏より受贈した16㎜ポジフィルムより作製した35㎜インターネガを経て作製した35㎜上映用ポジフィルム。
テラダ映画は映写機材録音装置の販売と教育映画および撮影業を行ていた大阪の寺田清本店のこと。参考文献(『國際映画新聞』)によれば大阪市の委嘱による製作。
参考文献
「新作敎育映畫紹介」(『映画敎育』第百二十四輯、1938年6月号)54頁
「文化映畫座談會 文化映畫の發展と其將來を語る」(『國際映画新聞』第二二四號、1938年)10-12頁
「配給作品リスト:1928~1978」(『東和の半世紀』東宝東和株式会社、1978年)70頁
「OSAKA METRO 90年の歴史年表」(岸田法眼『大阪の地下鉄大研究』天夢人、2023年)173頁