内務省指定天然紀念物 土合村櫻草自生地
「史蹟名勝天然紀念物保存法」(1919年制定)に基づき、1920年7月に日本で最初に指定された「天然紀念物」のひとつである埼玉県の「土合村桜草自生地」を、周辺の景観や地元住民などとともに収める。土合村は現在のさいたま市桜区と南区にまたがる地域にあたり、1952年には同法を受け継いた「文化財保護法」(1950年制定)に基づき「特別天然記念物」に昇格された。現在の指定名称は「田島ヶ原サクラソウ自生地」で、周辺地域も含む桜草公園が整備されている。
作品詳細
- 作品番号
- ST000204
- 映画題名
- 内務省指定天然紀念物 土合村櫻草自生地
- 映画題名ヨミ
- ナイムショウシテイテンネンキネンブツ ツチアイムラサクラソウジセイチ
- 製作年月日
- 1920-1925
- 時間(分)
- 3
- サウンド
- サイレント
- カラーの種類
- 白黒
- 製作会社
- 内務省
- 検閲番号等
- 1925年11月26日
5268、日、實、敎、土合村櫻草自生地、1巻、66m、内務省(製作者、申請者とも)、新免 - フィルム映写速度
- 18
- 備考
- 元素材は、1971年度に文部省より管理換された不燃性35㎜デュープネガより、2004年度に作製した35㎜上映用ポジフィルム。
エンドタイトルは欠落しているが、検閲時報の記載と比べると、元素材である上述のフィルムの尺長は65.547mであることから、ほぼ完全版と考えられる。
参考文献(『史蹟名勝天然紀念物』)によれば、内務省では1920年に「活動寫眞機」2台を購入し、史蹟と天然紀念物所在地の撮影を始めている。「内務省指定天然紀念物」の共通題名を持つ所蔵作品は、1928年に内務省官房地理課から文部省宗教局保存課に「史蹟名勝天然紀念物保存法」の所管が移されるまでに製作されたと考えられる。本作の検閲記録は1925年に確認できるが、「天然紀念物」としての指定時期を考慮すれば、より早い時期に製作された可能性もあることから製作年月日は「1920-1925」とした。 - 参考文献
- 「内務省にて史蹟名勝保存の宣傳 =活動寫眞に撮影=」(『史蹟名勝天然紀念物』第四卷第四號、史蹟名勝天然紀念物保存協會、1920年、[復刻版]不二出版、2003年)48頁
三好學、吉井義次、中野治房『天然紀念物調査報告 植物之部 第一輯』(白鳳社、1925年)109-116頁
亀井幹夫、中越信和「国指定天然記念物 (植物) の指定方針とその変遷」(『ランドスケープ研究』2000年64巻5号、日本造園学会、2001年)391-396頁