フィルムは記録する

後藤伯爵葬儀

1929年4月13日に客死した後藤新平伯爵の棺が、翌朝東京駅に到着するところから、棺が自宅に戻され、勅使より御沙汰書を受け取り、16日に青山斎場にて告別式ののち埋葬されるまでの始終を記録している。画面では、喪主の後藤一蔵(新平長男)春子(一蔵夫人)彦七(新平弟)みどり(彦七夫人)鶴見愛子(新平長女/鶴見祐輔夫人)佐野静子(新平養女/佐野彪太夫人)など親族のほか、東京駅の出迎えでは頭山満、三島通陽、阪谷芳郎、永田秀次郎、告別式では十河信二、浜口雄幸らの姿が確認できる。

作品詳細

作品番号
ST000128
映画題名
後藤伯爵葬儀
映画題名ヨミ
ゴトウハクシャクソウギ
製作年月日
1929
時間(分)
35
サウンド
サイレント
カラーの種類
白黒
検閲番号等
1929年の内務省検閲時報に限れば、後藤新平の葬儀に関する映画は3作品が検閲を通過している。
4月23日/D4591/日、實、時事/伯爵後藤新平閣下の逝去/1巻/295メートル/日本活動寫眞株式會社(製作者、申請書とも)/新(同一内容の申請が他に3件ある)
5月9日/D5363/日、實、時事/偉人伯爵後藤新平/2巻/608メートル/日本活動寫眞株式會社(製作者、申請者とも)/新(同一内容の申請が他に3件ある)
7月3日/D7745/日、實、時事/後藤伯爵葬儀/1巻/294メートル/少年團日本聯盟(製作者、申請書とも)/新免
現存するフィルムと照合すると、尺長は『偉人伯爵後藤新平』に近いが、伝記物のような題名の印象とは異なるので、このフィルムがアメリカから返還されたプリントであるとは断定しづらい。
フィルム映写速度
16
備考
元素材は、1968年度にアメリカ議会図書館より返還された35㎜ポジプリントを不燃化して作成された35㎜インターネガ。
なお、画面上の人物の同定については、奥州市立後藤新平記念館の協力をいただいた。
参考文献
鶴見祐輔『決定版 後藤新平正伝』第8巻(藤原書店、2006年)684-687頁